■現在地>トップページ>活動報告>
第5回ユニバーサルデザイン全国大会に参加して
代表理事 冨樫美保
この度、第5回ユニバーサルデザイン全国大会 ・YOU・湯~まんなかにあなたがいます。佐賀のユニバーサルデザイン~が12月21日(火)・22日(水)に佐賀県嬉野市で開催された。
前回は、熊本県主催であったので2大会続けて九州地方での開催となる。2年10ヶ月振りの九州は、冷たい雨の中での訪問となった。
大会主催は佐賀県、嬉野市、(財)自冶総合センター、ユニバーサルデザイン推進自冶体連絡協議会で、1年前から事務局をつくり準備進めてきたとのことである。「佐賀から日本のやさしさ」をキーワードに、沖縄県から北海道まで全国各地から集まった。大会の参加者1日目1,100名、2日目900名,計2,000名。関連イベント1日目1,500名、2日目500名,計2,000名。合わせて4,000名であったと閉会式にて発表があった。

佐賀と言えばパーキングパーミット制度が全国で最初につくられた県という印象をお持ちだとおもうが、この2日間にわたり佐賀発信のユニバーサルデザイン(以下UD)をしっかりと目で捉え心で感じてきた。以下心に残ったプログラムの報告です。
 
【写真1:大会メイン会場:嬉野市公会堂】
●大会1日目 12月21日(火)
【基調講演】
古川康佐賀県知事「佐賀から広がるユニバーサル社会」 冒頭の発声から大変パワーを感じる、エネルギッシュな知事という好一印象で、その上とてもにこやかで親しみの持てる話し方。UDを県政運営の基本的な考え方の一つとして、あらゆる分野で取り組んできて8年目。誇るべき政策や取り組みを紹介。
「UDは配慮ではなく前提である」心強いお言葉であった。
【記念講演】
松居一代(タレント)「ユザーの視点で商品開発をプロデュース」とにかく元気!声がはっきりして大きい、体全体での熱演は、さすが女優である。自分自身を最高に演じている。何役も兼ねる彼女は、松居一代のマネジャーもそのうちの一つでもあるといい、松居一代を如何にマネジメントをするか、いつも考えているそうだ。
主婦目線での家事が少しでもラクに、楽しくできる商品開発に燃え、そこには妥協を許さず、納得できるまでやり続けると執念のようなこだわりがるという。2階席は、講演が始まるまで空席があったが、講演時間が近ずくと、ご近所のおばさん、おじさんらしき人たちが、席を埋めだした。すごいなぁと、UDが市井の人々まで浸透しているのだと感動。そうです、松居パワーの威力です。
台所の片隅に座り、そこからものづくりに挑んでいると。松居棒、圧力鍋の開発秘話等、最初から最後まで熱くあつくバイタリティー溢れるお話で、講演も演じ切ることが大切である、ことを女優松居一代から学んだ。
【トークセッション】
テーマ「温泉地のユニバーサルデザイン」
日本においてのUDの第第一人者である関根千佳氏がコーディネーターを務める。
温泉地に求められる様々なUDの視点を、潮谷前熊本知事ら多彩な4人のパネラーから聴く事ができ、有意義なトークセッションであった。
沖縄県久米島観光協会で食物アレルギーに配慮した取り組みを紹介した平良博一氏。温泉が大好きなメキシコ出身の村上カルミナ氏は、洋服を脱いで入ることに長いこと抵抗があったと水着着用について理解や案内(説明)の必要であると、また温泉イコール年寄りが行く場所だというのイメージを変え、若者にもPR提案。

このトークセッションで一番印象的であったのが、潮谷前熊本知事の「多様な利用者を創造して作り出すことがUDである」という言葉であった。細かく多様な人に対応できているか。これからは、本当にたくさんの人たちの思いが、使いやすさを変えていく。人権・地球市民・グローバル化と社会を変革する力で、「UDは新しい価値を生み出していく」と、知事在職中8年間にわたる実践者の言葉一つひとつは重みがあり、心に残った。              
【写真2:トークセッション】
● 大会2日目 12月22日(水)
【分科会】
1:まちづくり  テーマ「繰り返し訪れたい嬉野、住みたくなる嬉野」
2:ものづくり  テーマ「魅力あるUD製品を追求した『地探地創』のものづくり」
3:こころづくり テーマ「UD教育の目指すものについて」
4:パーキングパーミット テーマ「パーキングパーミット制度の取組成果と今後の普及拡大の課題とその方法」 
和楽園、華翆苑にそれぞれ分かれての開催であった。特記すべきは、パーキングパーミット分科会で、福島県保健福祉部高齢福祉課主任主査の梅津弥氏がパネラーとして発表された。前夜交流会後の二次会で盛り上がりの翌朝の発表でしたが、微塵も感じさせない素晴らしい発表はさすがであった。   
【写真3:分科会ものづくり】 
【総合シンポジウム・大会宣言・閉会式】
 大草秀幸第5回UD全国大会推進委員会委員長のコーディネーターにより、4つの分科会でコーディネーター役の各人から、それぞれの分科会の報告をした。その後、小原健史佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター会長によって大会宣言がなされた。

 
最後に佐賀県健康福祉本部長の平子哲夫氏による閉会のごあいさつで2日間にわたる大会の幕を下ろした。
佐賀発、嬉野発「日本のやさしさを」3世代4世代と0~100才まで来てくれるやさしい温泉地をめざして、同窓会として来年、開催することを発表された。 
 
 【写真4:大会宣言】
 
【UD見学会】 
◆ 有田焼巡りコース参加 
ニューミックステニス見学→しん窯→有田焼卸団地→佐賀空港 
 ○ニューミックステニスとは、車いすの選手と健常者がペアを組むダブルス式のテニスでルールは硬式テニスとほぼ同じ。
車いすの車輪は内側に傾斜にている。これで小さく回転ができ、スピードも速い。華麗にプレーをされていた。
 
【おもてなし企画】 
  特設テントで行われていたのが、うれしのお茶や湯豆腐のふるまいのおもてなし企画であった。その美味しさもさることながら、印象に残ったのが、「やわらか野菜」という高齢者・介護用食品であった。野菜の形も色も香りもそのままでやさしい軟らかさになっており、口の中に入れるととろりと溶けるようであった。ペースト状では、何が食べているのかわからない、ここが一番の悩みの種と聞く。誤嚥防止には、やむなく出している家庭も多いと思う。この咀嚼力に応じた軟らかさを実現したことにちょっと感動。ぜひ、利用したいと思った。
 
 
 
 


085008・指さし会話板報告書
080502・飯舘協働事業
080315・福島県UD推進協議会
070919・福島医大病院UD検証
070721・定例会議(1)議事録
070701・総会の報告
070426・受託事業報告


ユニバーサルデザイン・結|E-mail:info@ud-yui.com
本サイトに掲載されている全ての情報の無断転載・無断利用はご遠慮ください。