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■札幌講演(2012.10.28)の報告
代表理事  冨樫美保
 この度、北のユニバーサルデザイン協議会NUDA(Northern Universal Design Association)主催の、札幌デザインウィーク2012×NUDAユニバーサルデザインセミナー人と雪と仮設住宅「福島からの提言」北国における応急仮設住宅を考える!に、招かれて出席してきました。
第1部がんばろう福島!絆づくり応援事業
「これからの仮設住宅への福島からの提言」と題しての講演。
第2部の「雪国における仮設住宅を考える」のパネルディスカッションの構成です。
 講演には、結の活動に始まり、東日本大震災とそれから1年半経過の現状と課題、そして昨年度、取り組みました応急仮設住宅の実態調査と住民へのアンケート調査から報告をしました。
 災害救助法は、災害が起きると被災県からの要望で、必要な戸数をすみやかに供給する協定を各都道府県と結んでいます。
 しかし、東日本大震災のように、未曾有の予想をはるかに上回る規模の災害が起きると、 とても対応が間に合いません。
 結果、被災県3県は、それぞれに木造仮設住宅が誕生しました。
 この報告書でも、度々申し上げていることが、自治体自体ごとの準備です。
自治体は、災害が起きた時の対応策をきちんと考えているところは、まだまだ多くありません。
 気候風土が異なる場所で、災害救助法に則り、どこも同じにくプレハブ協会から仮設住宅が供給されることからして、おかしいことなのです。
  この度の開催地は、札幌という寒冷地。
 そこで、関係者のみならず住民までが、もしこのような災害が起きたら??と危惧されるのは、当然です。
 
  パネルディスカッションで発表にあった北海道工業大学名誉教授菊地弘明先生が考案の 小規模組み立てハウス[K-ハウス](下記概要)は、北海道という寒冷地の仕様で考えられている。

①ユニット組み立て式で、増設が可能。柔軟な対応できる。
②北海道の木材使用、地元業者の建設により仕事の創出。
③高断熱・高気密の外断熱仕様により夏の暑さ・冬の寒さ問題解決
④ロフトでの収納あり。
⑤短期→長期になった場合でも、復興住宅に転用可能

 これは一つの取り組みであるが、それぞれの地域での準備こそが重要であることを、東日本大震災から、多くの人々が気がついたのではないか。
  私たちは、過去の災害から、何を学んできたのだろうか。教訓は生かされていたのだろうか。
  法でのミッションは、誰のために、何のためにあるのか。 それは、絶望の中で、希望をもてるようにするためにあるはずである。
  今、新しいあり方を考えるチャンスと思う。
  応急仮設住宅とはいえ、そこは、人の暮らしがあり、それも震災によって心身ともに傷ついた人々の建て直しに向かっていく生活の場であるのです。
  ユニバーサルデザインは、「最低限の快適さ」であり、それは“おもいやり”から作られなければなりません。
  本日のは、最初から最後まで、参加者全員が、真剣に聴講いただき、この問題に対する注目の高さも感じることができました。
  NUDAのみなさま、「Kーハウス」発表の須田さま、パネラーの長谷川雅浩さん、菊地伸さん、コーディネーターの山田もと子さん、ありがとうございました。引き続き取り組んでいきましょうね。
  最後に、この日のために、札幌市立大学の学生のみなさんが、応急仮設住宅の模型を制作して下さいました。
プレハブ協会の仮設住宅と、結提案の仮設住宅が並んで展示されますと、分かりやすく、そしてその違いが明確になり、このイベントの成果もより大きくなったと思います。
お世話になりました。
  みなさま、ありがとうございました。


085008・指さし会話板報告書
080502・飯舘協働事業
080315・福島県UD推進協議会
070919・福島医大病院UD検証
070721・定例会議(1)議事録
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