福島県伊達市 コミュニケーション支援ボード「指さし会話板」が完成しました!
ユニバーサルデザイン・結 副代表理事 菅野真由美
○『伊達市指さし会話板』ができるまで
このたび、伊達市用コミュニケーション支援ボード「指さし会話板」の作成依頼をいただき、先月末、無事完成しました。
きっかけは、ユニバーサルデザイン・結の会員でもある、伊達市在住の佐藤さんが、 社会福祉課障がい福祉係主査の菅野(すげの)氏にこの「指さし会話板」の存在をPRしてくださったことでした。
ある日、「ぜひ、伊達市でも指差し会話板をつくりたいのです!」という電話をいただき、さっそく伊達市役所・梁川庁舎へ出向きました。
さっそく、今の内容が伊達市に合っているか、の検討を始めました。
たとえば、『車のこと』の中のなかで、伊達市各総合支所での窓口の場合、原付バイク(農耕用機械も含みます)の登録と廃止を扱う回数が多いということが判明し、その項目を付け加えることにしました。
また、ご覧の通り伊達市のシンボルマークには黄色が使われています。
いままでは表紙が黄色でしたので、このままではマークが浮き出ない、といことで背景を「オレンジ色」に変えました。
この「オレンジ色」、黄色と同様、遠くからでも目立ってなかなか存在感があります。
こんなふうに今後、作ってくださる市町村ごとに、カラーを変えていくのも、オリジナル感を出すことができて、すてきではないかと思います。
○窓口の職員の方との交流
10月8日、社会福祉課長の後藤氏、菅野氏に伴われて、5つある各総合支所を廻り、佐藤理事とともに「指さし会話板」の使い方を、窓口の担当職員の方々に説明させていただきました。
伊達市は平成18年1月1日、保原町・梁川町・伊達町・霊山町・月舘町が新設合併して生まれた市です。
現在は旧町役場だったところが、総合支所として住民サービスを提供しています。
各市民課の担当の方々、最初は「これは、なに?」と思われたことでしょう。
これは、「ユニバーサルデザイン」という考え方を基本に作られたものであること、聴覚に障がいのある方への対応時、またそういう方にかかわらずどのような方にも使っていただけるよう用意をしていることをまず、お話しました。
そして、理解の早い方は新たな使い方も提案してくれるなど、反応の速さに、私たちもうれしくなりました。
たとえば、返事や質問に使う、A3版用紙のもの、今までは半分に折って、ケースの中に収納していましたが、それを折らずにラミネートしていたことで、その2枚は常に窓口のカウンターに載せておきましょう、ということになり、これは新しい発見!と私たちの方が固定した使い方にこだわっていたことに気づかされたのです。
○これからも、どんどん普及を!
実は私も伊達市の住民。そして、昨年は「伊達市総合計画」作成にも関わりました。
その中でも、しっかりと「ユニバーサルデザインのまちづくり」を提唱しているのです。
最初に目を留めてくださった福祉課の菅野氏をはじめ、職員の方々の「ユニバーサルデザイン」の理解度の高さを見た思いがし、浸透していることを証明している、とさえ思いました。
「こういったサービスを備えておくことは、あたりまえなんですよね」と、どの職員の方もおっしゃってくれました。
そうなのです、あたりまえだと思うことが、ユニバーサルデザインへの一歩になるのです。
これから、県内各地でこの「指さし会話板」を備える自治体が増え、福島県はどこの市町村の窓口にも「指さし会話板」が置いてある!
そんな夢、もしかしたら夢でなくなる日がくるかもしれない、そんなふうに感じた、伊達市との協働でした。